建物構造にどんな種類がある?
W造(Wood)……木造
W造(以下、木造)は主な構造部分に木材を用いてつくられた物件です。日本の気候や風土にマッチし、これまで多くの建物が木造でつくられてきました。
S造(Steel)…… 鉄骨造
S造・鉄骨造とは、柱や梁など骨組に鉄骨を使用した構造のこと。Sはスチールの略です。木造の柱がそのまま鉄になったものをイメージするとわかりやすいと思います。一口に鉄とは言え、人工的に強度を高めたものを使用しているのが特徴です。
RC造(Reinforced Concrete)…… 鉄筋コンクリート造
Reinforced Concrete は直訳すると「補強されたコンクリート」。主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたものを指します。
熱に弱い鉄筋をコンクリートで覆い、熱から鉄筋を守って酸化を防ぎます。一方コンクリートは上から押さえつける「圧縮」に対する抵抗力はあるものの、「引張力の弱さ」が課題。これを引張力に長けた鉄筋で補強しています。鉄筋とコンクリート両者の短所をうまく補いあうことで、さまざまなメリットを生み出しています。
SRC造(Steel Reinforced Concrete)…… 鉄筋鉄骨コンクリート造
SRC造は鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを打ち込んで施工した物件のこと。大型マンションやビルなど大規模な物件の場合、SRC造の工法が多く使われています。鉄骨を使わないRC造よりも耐久性が高い構造といえるでしょう。
木造の特徴とメリット・デメリット
メリット
木造物件は通気性にすぐれている反面、遮音性は全構造中もっとも低いのが残念なところ。部屋同士の仕切りの壁が薄いケースも多く、生活音が響きやすいのがデメリットです。
日本の気候風土に適しているのも木造のメリットです。木は、室内の空気が乾燥する冬、蓄えられていた水分を空気中に放出し湿度を保つ効果があります。梅雨のように湿気が高い季節には空気中の水分を吸収し、さらに通気性にも優れているため、四季があり湿潤な日本の気候風土にマッチしています。
デメリット
木造物件は通気性にすぐれている反面、遮音性は全構造中もっとも低いのが残念なところ。部屋同士の仕切りの壁が薄いケースも多く、生活音が響きやすいのがデメリットです。
また、木造は耐火性が低いです。木造建築という特性上、建物火災の際にいちはやく火が回ってしまいます。しかし「表面は焼け焦げても、中身まで燃えるには時間がかかる」という側面もあり、火事が起こればただちにアパート全体が崩壊してしまう、というわけではありません。
木造賃貸物件のまとめ
木造物件は音を気にしない方の一人暮らしに最適ということが言えます。「部屋の中で音楽をある程度の音量で楽しみたい方」「友達を部屋に呼びたい方」は人一倍気を遣う必要がありそうですが、それさえ我慢すれば日本の気候にも適した、これ以上ない高コスパ物件と言えるでしょう。
RC造の特徴とメリット・デメリット
メリット
主材料のコンクリートは不燃材料のため、非常に高い耐火性を備えます。賃貸を借りるうえでも耐火性に優れた部屋に住むのは安心につながります。また圧縮力と引張力を兼ね備えているため、耐久性が高いのも特徴のひとつ。地震に耐える物件が多いです。
基本的に重い材料を使用するほど遮音能力が高いため、圧倒的重量のコンクリートが高い遮音性を持つことは想像に難くありません。特に低音をしっかり遮断してくれるため、お部屋に5.1chサラウンドスピーカーを置きたい方は迷わずRC造に住みましょう。コンクリートを流し込んでつくる特性上、形状の自由度が高く、デザインのバリエーションにも富むこともメリット。デザインの自由度が高く、モダンな物件に住めるからです。
デメリット
建築コストだけでなく解体費用も高めなのがネック。賃料が高いことはRC造のデメリットです。木造やS造にくらべ家賃も高めに設定されていることが多いです。
後述するSRC造に比べ、鉄骨が入っていない分揺れにやや弱いです。しかし木造やS造ほど神経質に地震を気にする必要はありません。
また、木造は耐火性が低いです。木造建築という特性上、建物火災の際にいちはやく火が回ってしまいます。しかし「表面は焼け焦げても、中身まで燃えるには時間がかかる」という側面もあり、火事が起こればただちにアパート全体が崩壊してしまう、というわけではありません。
RC造のまとめ
RC造は高い遮音性のため、一人暮らしの部屋でルームシアターを構築しても大丈夫。サブウーファーの低音が階下に伝わるのを防いでくれます。また、しっかりしたRC造であれば子供が部屋を走る足音もそこまでシビアに気にする必要がありません。コストはかさみますが、小さい子供を抱えるファミリーも安心して借りることができるでしょう。